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研究倫理教育FDを開催しました。

 薬学部・薬学研究科では、博士後期課程・薬学履修課程の学生、博士研究員、研究指導担当教員を主な対象とした研究倫理教育の単発セミナーを行っています。
  今年は、本学金属材料研究所の副所長で、総長特別補佐(研究倫理担当)でもある佐々木孝彦先生をお迎えし、12月25日(水)午前10時30分から午後12時まで薬学部大講義室を会場に「あなたは“善い”研究者ですか?」というタイトルのもとで講演をいただきました。
  はじめに研究倫理教育の教材・e-learningに関する紹介、研究不正の定義、研究不正に関する最近の事例についての説明がありました。日本では、研究不正に関わる論文の取り下げが多いこと、この点についてScience誌の記事として取り上げられたことも紹介されました。また最近の研究倫理の問題として、ハゲタカジャーナル、ハゲタカ会議の問題があり、安易にこれらの雑誌や会議に投稿・参加することは、業績の水増しとして判断されかねないことが説明されました。しかし、ハゲタカジャーナル・会議を定義することは難しく、投稿する雑誌や会議について予め十分に調べておくことが、当然ではあるものの重要であることが説明されました。
 研究不正は、PI (研究室運営者) が中心となるトップダウン型と若手研究者が関与するボトムアップ型に大きく分けることができ、トップダウン型は名声や栄誉欲求または利益誘導に由来し、ボトムアップ型は、不安定な雇用状況が主な原因であるが妄想型もある、との説明がありました。しかし、ボトムアップ型についても、PIが若手研究者の状況を十分に理解し、そして不正を引き起こさないオープンな研究室運営が必要ではないか、と話を結ばれました。改めて研究倫理・研究不正の防止を考えさせてくれる大変意義のあるFDでした。
 研修会には、教職員61名・学生14名の他、事務部等職員の合計78名が参加しました。

公正な研究活動推進室